とてもとてもいい本でした。
アラン・グラッツ作。
実在の本がたくさん出てくるのは、アンドリュー・クレメンツさんの『ぼくたち負け組クラブ』といっしょだった。
本好きな人にぜひ読んでほしい一冊。
そして、その人と語り合いたい一冊です。
何も意見を言わず、問題も起こさないエイミー・アンは、友達も少なく本を読むことだけが楽しみな大人しい子。
家には2人の妹がいて、パパやママも忙しく、我慢するのはいつもエイミー・アン。
家には静かに読書できる自分の居場所がないので、クラブをすると嘘をついて放課後はいつも図書館で過ごしている。
エイミー・アンの大人しさは、相手に対してこんなふうに応対する事で、よく分かる。
「〜と思った。でも、もちろん言わなかった。」
司書のジョーンズさんは、図書館の役割をよく心得た立派な司書さんだ。こんな司書さんに憧れる。
ところが、エイミー・アンが大好きな『クローディアの秘密』という本が、ある日図書館から消えてしまった。
教育委員会からの命令で、いくつかの本が貸出禁止になったのだ。
ジョーンズさんに頼まれて、エイミー・アンは、教育委員会の会議に出て意見を述べようとするが、何にも言うことができなかった。
『クローディアの秘密』もパパとママから買ってもらった。
それで終わりになっても仕方ないんだけど、エイミー・アンはいいことを思いついた。
唯一の友達レベッカが、その本を読みたいと言って貸してあげ、レベッカが思いを寄せるダニーが持っていた本も合わせて、貸出禁止の本を集めたロッカー図書館を作ったのだ。
もちろん、大人には秘密。ジョーンズさんさえ知らない。
貸出禁止の本のロッカー図書館は、大人が子どもに読むことを禁じた本なんだけど、であるのにと言うべきか、だからこそと言うべきか、とても人気があった。
貸出禁止の本が増やされて、エイミー・アンたちは、ある計画を立てた。
しかし、校長先生に見つかって、出席停止にされてしまった。
さて、貸出禁止になった本はどうなるのか。
大人の思惑で、子どもが本を読む自由を奪っていいのかどうか、考えさせられる。
図書館や、子どもの本に関わる全ての人が読んでくれたらいいなぁと思う。
ロッカー図書館で友達も増え、成長したエイミー・アンの様子が頼もしく表現されている。
「〜と思った。だから、言った。」