いいお話でした。
茂市久美子さん作。
ジュピターは、オリオンキャットフードの試食係。
ところが工場が閉まることになって、動物愛護団体に引き取られてしまいます。
なんとか工場に帰ろうとして飛び乗ったトラックに、遠い田舎町まで連れて行かれ、優しいおばあさんあの家で暮らすことになります。
登場するカラスやネズミも優しい。
村上しいこさん作。
庭に迷い込んできた子ネコ。
拾ったお母さん。
飼うのに反対するお父さん。
子ネコに居場所を奪われてシュンとするみけ。
でも、お話はネコが中心じゃない。
お母さんは心の病を抱えている。
いつもがまんしている主人公のサチ。
サチとお母さんとお父さんが、少しずつ家族らしくなっていくお話です。
アン・タイラー作。
一人暮らしでうだつの上がらない中年男マイカが主人公。
しかし、部屋の掃除はきちんとするし、車の運転も模範的だ。
パソコンの出張サービスの仕事をしている。
今まで付き合ってきた女性とはことごとくうまく行かなくなって、別れてしまうことを繰り返していた。
結婚するつもりはないが、今付き合っているキャスとはずっとこのままでいたかったのだが、昔別れたロナの息子がマイカの家に転がり込んできて、キャスまでマイカのもとを離れていってしまう。
味気ない毎日を送るのだが、息子を探しにきたロナと再会して、自分を少し見直せるようになる。
作者は男だと思い込んで読んでいたのですが、裏表紙に女の人の写真が写っていてびっくりしました。
上條さなえさん作。
2人暮らしのママとぼく。
お金はないけど、住むところがなくなった小春おばさんを引き取ってあげることにした。
ところが、このおばさんがとんでもなく明るい人だった。
湯川久子さん作。
著者は、九州で第一号の女性弁護士。
昭和2年生まれ。うちの母と同じだ。
この本は、90歳の時に書かれた。
数多くの離婚や相続の問題を扱い、法律は人の幸せのためにあると説く。いくら正しくても、その人の幸せのためにならなければ、意味がない。
・自分の未熟さにいつも気づいているほうがいい
・争いごとで「命の時間」を無駄にしない
・「話す」ことで問題とほどよい距離がうまれる
・正しいことを言うときは、ほんの少しひかえめに
・お互いの「台所の奥」には入らない
・時の流れは「一番つらかったこと」を「一番の思い出」に変える
・生きた証は、大切な人の胸の中で思い出されること
など、味わい深い言葉が詰まっていました。