いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

兄の終い

村井理子さん作。

お兄さんが不慮の死を遂げたことは他の本で何回か読んで知っていたが、その出来事を一冊の物語にした本でした。

ある日、滋賀県に住んでいる著者のもとに、宮城県警塩竈警察署から電話がある。

お兄さんが自宅で亡くなり警察署に安置しているので、引き取りに来てほしいとの連絡だった。

兄妹ではあるが、5年前にお母さんが亡くなった時に会って以来、付き合いをしていない状態だった。

どんな暮らしをしていたのか分からない兄を、全く知らない土地へ引き取りに行く村井さん。

この本で初めて知ったのは、お兄さんが離婚した相手の加奈子ちゃんと、お兄さんの住んでいた多賀城市で落ち合って、火葬やアパートの部屋の片付け、大家さんへの明け渡し、車の廃車手続き、小学生の息子さんの引き取りなどを一緒にしたことだ。

その期間を通して、関係がこじれていたお兄さんへの思いを溶かしてゆく。

そんな記録です。

 

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