いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

コンビニ人間

あー、面白かった。

村田沙耶香さん作。

読む前は何の根拠もなく、主人公は男と思っていたが、女の人だった。

 

店長の指示に従いマニュアル通りに仕事をすることで、やっと人間社会の一員となった感覚を味わっている。

自分の感覚は他の人とちがうので、自分の考えは表に出さず友だちもいない。

結婚も就職もせず18年間、同じコンビニでアルバイトを続けてきた。

休みの日もコンビニの仕事のために、体調を整えている。

親からは悲しがられ、周囲からは結婚や就職を進められるが、なぜそうしなければならないのか分からない。

 

そんな主人公が、白羽さんという働きもせず世の中を貶してばかりいる男を、一人暮らしのアパートに連れてきて住まわせることになる。

どちらにも恋愛感情はない。

しかし、周りはおめでとうと祝福する。

自分勝手な白羽さんにコンビニを辞めさせられ、就職に向けて面接に向かう主人公。

世間的にはようやくまともな道を進み始めたようにみえるが、コンビニで働いていた時のようなイキイキした主人公らしさは消えてしまう。

 

後数ページで、どんな結末になるんだろうと思っていたら、痛快に終わった。

 

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