いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

掬えば手には

瀬尾まいこさん作。

個性というものが何もなく、何をやっても平均点な匠。

ただ一つ特別だと思えるのは、人の心を読めること。

中学のころ、ずっと不登校だった女の子が教室前で固まっていた時、その子の気持ちが分かって助けてあげた。

大学生になって、暴言ばかり吐く店長がいてバイトが続かないオムライス屋でバイトを始めた。

不思議に辞めることなく続けられ、そこに新しい女の子が入ることになった。

常盤さんというその人は愛想も何もない人で話しかけることも憚られる人だった。

ところが、その人から違う心の声が聞こえるようになる。

その声は、常盤さんが高校時代に中絶した赤ちゃんの声だった。

匠は秋音と名付けて仲良くなる。

見かけはとっつきにくくても、一緒に過ごすうちに大切な人になっていくことに気づかせてくれる物語です。

店長の大竹さんまで、最後にはいい人に思えてきます。

 

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