濱野京子さん作。
こうの史代さん絵。
真莉愛は、東京の狭いアパートからリアス式海岸の海と緑の町に引っ越してきた。
そこは、おばあちゃんの家。
おばあちゃんは、真莉愛ではなく「まり」としか呼んでくれない。
離婚したパパが日系ブラジル人で、パパとママの結婚に反対だったから。
真莉愛は、東日本大震災の直前、数ヶ月だけこの町に住んでいた。
まだ幼稚園だったその時に、顔つきをからかわれた真莉愛を庇ってくれたまさきという子のことを思い出す。
まさきは父母とともに波にのまれて亡くなったのだ。
顔も覚えていないけど、虎舞が好きだと言っていたことだけは覚えている。
まさきのことを忘れないために、真莉愛は少しずつ変わっていきます。
128ページの絵が、こうの史代さんらしくて、とてもいい。