いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

レポート

今学校に来れない男の子のことを書くつもりだったのですが、もう一人の女の子のことでスペースをいっぱい取ってしまいました。
でも、書いてみて改めてこの女の子の変化がうれしく感じられました。

不登校のN君と」 
 5年の担任から、クラスに不登校の子が2人いると聞いていました。女の子と男の子。前担任は、ほとんど毎日のように手紙などを届けていたようです。
 ぼくにはとてもそんなことはできないなあと思っていました。
 幸い2人とも学年はじめには登校していましたので、A子については特別扱いせず、ぐずっても少々強引に教室に入れていました。
 A子は、5年生でいじめにあい、教室に入ることができなくなっていたようでした。よく職員室前で固まっていたり泣いている姿を見かけました。教室へあがらせようとしても、体をかたくして拒絶して、「校長室がいい」と言っていました。
 前担任がこの訴えを聞きいれてしまって職員室などで過ごさせたため、ますます教室へ行けなくなっていたようでした。職員室にいる時は、話しかけても目を合わそうとせず無表情だったのを覚えています。
 6年生が始まってもあい変わらず無表情で、朝は母親に送ってきてもらっていました。教室前までくるとぼくが迎え入れて教室へ入れようとしますが、しばらくはしり込みしてなかなか入れませんでした。帰っていく母親に「待って〜」と泣きすがることも何度もありました。
 母親は何とか学校に行ってほしいと強く願っていましたので、仕事があるのに毎日送ってきてくれていました。少々つらく当たっても娘に強くなってほしいという気持ちが感じられました。しかし、朝「どうしても学校に行きたくない」と言うので、登校させるのを諦めて電話をしてこられたことも何度かありました。
 登校して自分の席に座ると今度はそこから移動させるのが一苦労です。月曜日など、朝会のために運動場へ連れ出すのが大変でした。
 しかし、きゃしゃな子ですので、しり込みしても少し強引に連れ出したり、特別教室にも付き添って行ったりして、少しずつ慣れさせようとしました。
 席替えは配慮して、乱暴な男子が隣にならないようにしました。
 そうこうしているうちに一学期の終わりごろには、母親の付き添いもなく登校できるようになっていました。
 現在は、友達もでき待ち合わせして一緒に登校していますし、休み時間にはなんとおにごっこして遊んでいます。周りの先生からは、明るくなったねと言ってもらえて、何より表情豊かになったことがうれしいことです。