エルス・ペルフロム作。
スペイン市民戦争後のアンダルシア地方が舞台。
修道院や地主が横暴を振るう中、クロ(サンチャゴ)の家族は洞窟の家に住んでいた。
焚き木さえ自由に拾うことができない。
8歳の冬、父ちゃんはクロに明日から学校に行かなくていいという。
働き口が見つかったから仕事に行くことになったというのだ。
クロはとくに反発することもない。
それまでも水汲みやばあちゃんの世話などしていたが、それに加えてクロはいろいろな仕事をする。
山羊飼いやオレンジ売り、大工の手伝い、陶器の行商、オリーブ摘みなど、さまざまな仕事をして成長します。
ロマの村も近くにあり、踊りや歌でロマの人たちとも手助けしながら暮らしてゆく。
どんぐりを食べるくらい貧しくて「どんぐり喰い」と呼ばれていたが、まったく気にせずたんたんと暮らしている。働き者で家族を大切にしている姿が羨ましいくらい。
仕事の休みの日に、家族総出で砂金取りをする場面がとてもよかった。
オリーブ摘みの短い休憩時間におばさんたちと、いままでで一番汚い仕事の自慢合戦をしたところも面白かった。