吉田道子さん作。
文章がわかりやすくて、すんなりと物語の中に入っていけた。
咲はおばあちゃんのことを「こよみさん」と呼ぶ。
咲はこよみさんから、たくさん言葉を教わった。「せつない」「けなげ」「さりげない」
こよみさんは咲に、今度「さもしい話」をすると言った。
次に会える前に、こよみさんは亡くなってしまった。
「さもしい話」は聞けなかった。
ところが、こよみさんの家計簿の間から、咲に宛てたこよみさんの手紙が出てきた。
その家計簿は婦人雑誌の付録についていたもので、そう言えばうちの母もその家計簿を使っていた。
こよみさんは、手紙に「さもしい話」を咲のために書き残していたのだ。
物語の中に、竹田津実さんの本を使って先生が授業をする場面がある。
『子ぎつねヘレンがのこしたもの』の人ですね。
知っている本が物語の中に出てくるのは、とてもうれしいことです。