はー、面白かった。
村山由佳さん作、おいしいコーヒーのいれ方Ⅴ。
次のような文章に出会えて、幸せ。
その瞬間ー。
どう言えばいいのだろう。ぱーんと音をたてて、目の前が開けたのだった。大げさに言うと、部屋の中が突然草原になって、一陣の風が吹いていったような感じだ。
言葉の終わりが、
ほんの少しだけ滲んで聞こえたような気がした。
よく考えなくちゃいけない。自分がかれんにしてやりたいことじゃなくて、かれんがして欲しがっていることは何かを考えなくちゃいけない。
してやりたいことだけをして、あれもしてやった、これもしてやったと自己満足して、それでたっぷり愛しているような気になっていたら、いつかきっと終わりがくる。
文庫版のあとがきで、村山さんは戦争についての思いを書いてはる。
ちょうどイラク戦争のころだったよう。
いろいろ述べた後で、
「要するにそれは、どんな大義名分があろうとも、そのために何も知らない子どもたちが殺されていいのかどうか、というただ一点です」と。
あれからずいぶんたって世の中も進んでいるはずなのに、この国だけでなく世界中の偉い人たちの考えは何も変わっていない。
このあとがきだけでも、多くの人に読んでもらいたいなあと思いました。