市川拓司さん著。
小学校では席にじっと座っておられず、相手がどう思っていようが一切構わず一方的にずっとじゃべり続けていたそうだ。
それでベテランの先生に、今までの教師生活でいちばんの問題児と言われたのだという。
そんな市川さんが、「いま、会いにゆきます」などの恋愛小説をどのように書いてきたのかがよく分かる。
夜に走ったり、高いところから飛び降りたりするのは、市川さんの生活の一部だったのだ。
学習障害の研究で有名な上野一彦先生や、いつも弱い立場の子どもたちの側から問題提起してくれる品川裕香さんが、この本の出版に力を貸しておられるのもうれしい。
巻末に星野仁彦さんが、「生物学的多様性」と発達障害の「可能性」と題して解説を書いておられ、期待を膨らませながらページを閉じることができた。
科学的な大発見をしたニュートンやアインシュタインはADであり、エジソンやパスツールもADHDだった。
ダ・ヴィンチやミケランジェロなどの偉大な芸術家もADHDやADであったと立証されている。
さらに、モーツァルトやベートーヴェンのような音楽家やピカソ、ダリのような画家は発達障害のために日常生活でハンディを背負いながらも大きな業績を残している。
発達障害の人たちに、もっと期待していいのではないかと思う。