いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

広汎性発達障害児への応用行動分析

本当のことを書くとバッシングされたり、足を引っ張られたりするという。また、受け持ちの学生の就職にも響くので、なかなか迷惑をかけられない。
しかし、著者はズバリと書きたいことをこの本で書いた。
もう、棺桶が近いので、ということで。


よって、内容は確信に満ちている。長年重度の自閉症児の言葉の獲得に悪戦苦闘してきた経験に裏打ちされている。説得力がある。そして、耳が痛い。




曰く、公務員は遅刻せず休まず仕事せず。
曰く、先生は勉強しない。子どもに力がつかなくても責任をとらない。
曰く、今の学校システムは子どもを伸ばせない。


その通りだから、反論できない。むしろ、拍手喝さいしたくなる。
よくぞここまで書いてくれた、と。


勇気づけられる言葉も、散りばめられています。


例えば、


私は、発達遅滞児に専門家は不要だと考えている。先生は今より少しばかり障害児関連の勉強をして、自分たちが障害児指導の主役であるとの気概を持ってほしい。障害児との経験は健常児についての理解を格段に高めてくれるものである。
障害児と一緒の生活体験が健常児にとってどれほど貴重なものかについて、世間の理解がかなり浸透してきた。ことばがちゃんと通じない、自分たちと同じように行動できない、という子どもと一緒の生活体験は、人に対する直感的理解力を格段に高めてくれる。人を理解する力は心理学を勉強して身につくものではない。


亀山に着くまでの気動車の中で読了。
この本をリュックに入れてきてよかった。