寺地はるなさんの7冊目。
この本も、とてもよかった。
最後の終わり方が、さすがだ。
今までで、一番よかったんじゃないかな。
作者は主人公に、
私が言いたくて、でも言葉にできなかったことを、わかりやすい表現で言ってくれた。
と、言わせている。
もしかしたら、作者もそう感じたことがあるのかもしれない。
でもぼくからしたら、作者こそ言いたかったことを言葉にしてくれる人だ。
途中から、早田さんと別れてよかった、と思っていた。
登場人物に、早田隊員と呼ばせているので、世代がわかる。
でも、最後のところで、まだまだ関わり合っていくのも悪くないなと思わせてくれる。
舞台が大阪で、北浜や上本町が出て来て、主人公の職場やマンションがそこにあると思うと、なんだか街が違って見えた。
人は1人では生きていけないというけど、2人だと転けてしまうということを知った、という万智子の気付きも記憶に刻まれた。
これから、やわらかい砂のうえはどうやって歩いていこうか。