いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

やわらかい砂のうえ

寺地はるなさんの7冊目。

この本も、とてもよかった。

最後の終わり方が、さすがだ。

今までで、一番よかったんじゃないかな。

 

作者は主人公に、

私が言いたくて、でも言葉にできなかったことを、わかりやすい表現で言ってくれた。

と、言わせている。

もしかしたら、作者もそう感じたことがあるのかもしれない。

でもぼくからしたら、作者こそ言いたかったことを言葉にしてくれる人だ。

 

途中から、早田さんと別れてよかった、と思っていた。

登場人物に、早田隊員と呼ばせているので、世代がわかる。

でも、最後のところで、まだまだ関わり合っていくのも悪くないなと思わせてくれる。

 

舞台が大阪で、北浜や上本町が出て来て、主人公の職場やマンションがそこにあると思うと、なんだか街が違って見えた。

人は1人では生きていけないというけど、2人だと転けてしまうということを知った、という万智子の気付きも記憶に刻まれた。

これから、やわらかい砂のうえはどうやって歩いていこうか。

 

f:id:kuroneko356:20220906232853j:image