山本巧次さん作。
6遍の短編集、かと思いきや、5編目で今までの登場人物がそれぞれに集まってきて、同じ物語の中で動き出すという、驚きの物語でした。
第一章 富良野線 美馬牛駅
第二章 釧網本線 北浜駅
第三章 宗谷本線 音威子府駅
第四章 根室本線 落石駅
第五章 函館本線 札幌駅
第六章 富良野線 美馬牛駅
というように、もし読者が鉄道ファンなら、とても期待しそうな目次なんだけど、物語には一人も鉄道好きは出てこない。
それぞれの主人公たちは、その駅を舞台にした物語の中で語られた後、ライラック36号と30分遅延のスーパーおおぞら8号で札幌で出会うことになる。
全員がつながっていたことが、最後に分かる仕掛けだ。
鉄道に詳しすぎる作者だなあと舌を巻いていたら、なんと鉄道会社に勤務されてるとのことでした。