服部千春さん作。
花を育てるのが好きなおばあちゃんが入院した。
病室に行くとおばあちゃんの夢を見た主人公。
なんと、自分がおばあちゃんになっていたのだ。
70年も前、おばあちゃんが自分と同じ年ごろのこと、お父さんに赤紙が来る。
出征する前の日にお父さんは、真っ暗な夜でもゆうがおの花あかりでちゃんと自分の家が分かるから、必ず戦争から帰ってくると言ってくれる。
だから、ゆうがおを育てた。お父さんが帰ってくるのを信じて、花を絶やさなかった。
ところが、時代は花を育てることを許さなかった。花を育てる土地があるなら食べられるものを育てろというお達しが来て、となり組からも嫌がらせを受ける。
花を育てることは、平和を育てることでもあるんだなあ。
「花はえらいなあ、隣にどんな花があっても、ちゃんと自分の花を咲かせる」という、おばあちゃんの言葉はい言葉だ。
おばあちゃんがつけてくれた主人公の名前は、花。