佐和みずえさん作。
かずさんは、主人公みかのひいおばあちゃん。
96歳。
畑での野菜作りをやめてから、ソファーやベッドで休んでいることが多くなった。
少ししか食べなくなり、お粥を二口でもう食べられなくなる。
手はしわしわだ。
描かれた挿絵まで、うちの母の姿を思い起こさせる。
学校から帰ってきたみかに、しわしわの手じゃなくて、つやつやしてしわひとつなかったときもあるんだよ、と話始める。
21歳の時、赤紙が来てふるさとの病院から、長崎の海軍病院に行くように命令を受ける。
そして、8月9日、新型爆弾が長崎に落とされ、カズさんの病院にたくさんの人が運ばれてくる。
みんなひどいやけどで、水、水と言って亡くなっていくが、おかあちゃん、おふくろ、おっかあと言いながらそれぞれかずさんの手を握った。
薬もなくて、お母さんだよと言うことしかできなかった。
今まで誰にも言わなかったが、みかにだけ伝えて、カズさんは亡くなってゆく。