花里真希さん作。
いい物語でした。
主人公の千紗は中学生になったばかり。
ソフトボール部に仮入部したが、先輩が怖く、仲間とも折り合いがよくない。
クラスでもひとりぼっち。
モラハラ父は、一度入部したら途中で絶対にやめるなと怒鳴る。
素直に返事しないとほっぺたを叩かれる。
お母さんはお父さんに服従して、千紗の味方になってくれない。
「覚醒」という章で、覚醒したのはお母さんだった。
怒鳴られた千紗が勇気を出して言い返した時、とうとうお母さんも加勢してくれた。
お父さんは、思わぬ反撃に狼狽えながら「勝手にしろ」と。
それからお母さんは、どうしていいか分からなくて諦めていた家の片付けをがんばりだす。
それまでは友達も呼べないほど汚い家だった。
子育て中のわが家を思い出す。
きっかけは、千紗のクラスで不登校だった小林くんのお母さんがハウスクリーニングの会社をしていて、声をかけてくれたから。
千紗はなぜか小林くんと気が合う。
自分の部屋を掃除すると心までキレイになった気がした。
お母さんといっしょに断捨離をして家の中がキレイになってくると、気持ちが明るくなっていろんなことがうまく行きそうな気がしてきた。