小林裕美子さんの3冊目。
73歳のお父さんが脳梗塞で倒れた。
急性期病院からリハビリ病院を経て、お母さんが自宅で介護することに。
3人の子どもたちはそれぞれに忙しく、なかなか母を助けることができない。
そのうちにお父さんに認知症の症状が出てくる。
長女は2人の子どもがいて、長男は仕事が忙しく妻も自分の親の介護をしていて、次女は一人暮らしだが自分の生活に精一杯で、3人とも時々手伝いにはくるが、お母さんがほとんど1人で介護している。
そして、とうとうお母さんが倒れてしまい、意識が戻らない。
自分たちの親をどうするかで、3人の話し合いが延々と続く。
介護に正解はない。状況も変わる。
今家族にとって、何が一番いいか、たくさん話し合うことが大事なんだろう。
気持ちも変わってゆく。
そのうちに、納得できる選択が見えてくる。
お父さんには施設に入ってもらい、みんなが実家に泊まり込んでお母さんを看取ることになった。
3人の絆が深まり、お母さんが静かに亡くなってからも、悲しいだけでなく小さいな希望も芽生えてきた物語です。