濱野京子作。
受験を控えた中3生、6人の物語。
生まれた年は、阪神淡路大震災の起こった1995年。
なんとなく希望が持てず、自分の辞書から「希望」という字をハサミで切り取ってしまう主人公の市子。
同じグループの男子も、正社員や手堅く公務員が将来の夢。
その中で、夢は日本一の鉱物学者と公言する偉生(よしお)。
もちろんクラスの中で浮いている。
でも、このクラスの中では一目置かれている。
彼自身も、3年生になってから話せるようになったと認めている。
それは、みんなから「姉さん」と呼ばれている市子のおかげだと。
それぞれがいい関係で自分の道へ進んでいこうとしている最中に、3月11日を迎える。
たくさんの、こんなドラマがあったのだろうと、今さらながら思いを馳せる。