天山の巫女ソニン、2巻。
イウォル王子が江南に行くことになる。
招いたのは、クワン王子。
ソニンはあまり乗り気ではなかった。
クワン王子をよく思っていなかったから。
あれ、クワン王子はソニンに何か悪いことしたかなあ、ともう一巻の記憶が薄れていた。
作者の筆使いに舌を巻くのは、次のような一文に出会った時。
二人は木陰につないだ馬をほどき、夕日に追われるように海岸沿いを走りました。
イウォル王子がセオに連れられて、廃墟になった入り江の村を去るシーンだ。
映画だったら、きっと印象深いシーンになることだろう。
でも、文章でもそんな表現ができるんだと思い知らされた。
「夕日に追われるように」は、このときのイウォル王子の気持ちをよく表している。
「意外に地道なことに、物事を変える力があるのかもしれない。」
「目の前にある仕事をこなすのは簡単なのに、自分のことを考えるのはなんと難しいのだろう。」
上の二つの文もメモした。
言いたくても言い表せなかったことを、この人は簡単に言葉にしてしまう。
もちろん、ストーリーが面白いから、文も輝くんだろう。
イウォル王子の成長も、この巻の見どころです。