二冊いっぺんに借りてきて、こちらを後から読むことにしたのは、江南が暖かく明るい物語で巨山が寒く厳しい国の物語だっただけではない。
イェラの物語を後からゆっくりと味わいたかったからだ。
でも、一気に読んでしまった。
「予言の娘」
イェラが生まれたときの場面から始まっている。
母である妃は、男の子でなかったために抱こうともしない。
父王も会いにもこなかった。
乳母が占い師のところにつれていくと、戦いの日々だと言われる。
天文台でなぜあのような物思いにふけっていたのかが、明らかになる。
老天文官との心楽しい時間もそう長くは続かない。
ムサとの出会いも知ることができてうれしい。
第3王子が生きていてくれたら、よき理解者になったかもしれない。
ソニン本編でのイェラは、こんな経験を積み重ねてイェラになったのだなとしみじみ思う。