読み続けるのが苦しい物語でした。
でも、読まずにはいられない物語でもありました。
「犬はダメだ」と、むりやり飼い犬トモと引き離されたマナミ。
でも、こっそりコートの下に隠して連れて行こうとする。
ベインブリッジ島を出て本土に着いた時に見つかってしまう。
それから、バスに乗せられ、家族がたどり着いたのはマンザナ収容所。
自分が軽率な行動をとらなければ、トモはたのんでおいた人が世話してくれたはずなのに。
マナミは、トモが追いかけて来たのではと、何度も何度もトモの声の空耳を聞く。
どこでどうしているんだろうと心配することほど辛いことはない。
マナミは声が出なくなってしまう。
こんな歴史があったことを、決して忘れてはいけないなと思う。