森島いずみさん作。
とてもいい物語でした。
透子は、流れる水を見るのが好きで、すぐに感情を爆発させてしまう子だった。
お母さんは入院していて、病院の場面を読むと治るか治らないか分からない深刻な病状みたい。
大阪に住んでいたが、若狭のおじいちゃんおばあちゃんの家で暮らすことになる。
そこの離れで、ぱんちゃんという施設で育った人が住むことになった。
大阪の学校も嫌いだったが、若狭の学校にも馴染めず、プールのとき悪口を言われたと感じて、友達をビート板で叩いて傷つけてしまう。
先生が家に来て、おばあちゃんにしっかり見てやってほしいと言った時の、透子を庇うおばあちゃんの言葉がいい。
チャボが死んだときにぱんちゃんが黒く塗りつぶしてしまった絵に、透子は新しい絵の具を使って花火の絵を描く。
そんなセンスに驚かされる。
中学も登校できなかった透子の机の引き出しには、あの頃お母さんが送ってくれた手紙が大事にしまってある。