寺地はるなさんの17冊目。
とてもいい物語でした。
主人公は芯。
おじいちゃんと二人暮らし。
おじいちゃんから、ミナトホテルの裏庭の鍵を探して欲しいと頼まれる。
ミナトホテルに出向くと、突然湊篤彦が階段から落ちてきて骨折してしまった。
骨折した篤彦のために、いなくなったネコの平田カラメルを探すことやホテルのカウンターに座ることも引き受けてしまう。
そして、ミナトホテルがワケアリの人を泊めるホテルであることを知る。
子育てに疲れ切ったお母さん、暴力を振るう元夫から逃れてきた元妻など。
篤彦は亡くなった母の陽子からホテルを引き継いだ。
その陽子が、裏庭の鍵をどこに置いていたのか篤彦も知らない。
芯は、陽子の遺品整理をしながら、篤彦は陽子の妹の子であることがわかってくる。
会社の非常階段で泣いていた花岡も、ミナトホテルとの関わりができる。
芯のおじいちゃんは、陽子さんの同級生で、美千代さん福田さんとともにお互い助け合ってきた仲だ。
それらの出来事が、関わり合いながら、鍵が見つかり、そこで陽子さんの一周忌を開くことができた。
花岡さんが、52万円を叩きつける場面は痛快だった。
自分がしかめっ面をしてるなと気づいたら、きれいな花が咲いていると言ってみようと思った。
寺地はるなさんのデビュー2作目です。