石川宏千花さんの本は、初めて読んだ。
中学校の先生をしている主人公のところに、ある日の放課後遅く一本の電話がある。
何とそれは中学時代の同級生からだった。
相手の話を聞いて、いっぺんに二十数年前に引き戻される。
中学時代、自分のことがなかなか好きになれなかった主人公が、唯一居場所があったのが久和さんの塾。
そこで手伝いをしていた百瀬さんと転校生の奈良くんとの繋がりをきっかけに、友だちとの関係がどんどんかわってゆく。
失いかけた友達を取り戻し、自分とは違う世界の人だと思っていた人と生涯の友人となる。
青春時代に関わったそれらの人たちは、それぞれに同志だったと気づく。
一本の電話を切るまでのお話。