カリーナ・ヤン・グレーザー作。
この本を読んでいると、「ビーダマンさん」という名前が頭の中でぐるぐる回ります。
ビーダマンさんってだれなのか。
ビーダマンさんってどんな人なのか。
ビーダマンさんってなぜ賃貸契約を更新してくれないのか。
ビーダマンさんってほんとにいるのか。
いい加減に種明かししてくれー、という気持ち。
ニューヨーク、ハーレムに住むバンダビーカー家の子どもは5人。
真ん中のオリバーだけが男の子。
上のお姉ちゃんは双子のジェシーとイーサ。
下の妹はハイアシンスとレイニー。
ブラウンストーンという古くからある建物の2階と1階を借りて住んでいる。
クリスマス前に大家のビーダマンさんから賃貸契約を更新しないと言われ、長くすみ慣れた家を引っ越ししなければならなくなる。
5人は、なんとかビーダマンさんの決定を変更させようとする。
しかし、物語の最後の方までビーダマンさんは感じが悪い。
でも、真相がわかってくると、ビーダマンさんがかわいそうに思えてきます。
5人の中で、ぼくはハイアシンスが一番好き。
ハイアシンスは、ビーダマンさんを喜ばせようと、黒猫の赤ちゃんをダンボールに入れて4階のビーダマンさんの部屋の前に置いたりする。
ようやく謎が解けて、ビーダマンさんをクリスマスのお祝いに呼べた時の次の一文にホッとさせられます。
ビーダマンさんは、しずかにすべてを見まわして、大きく息を吸った。たまたまそのとき顔を上げて、そのようすを目にしたオリバーは、ビーダマンさんが体いっぱいに幸せをすいこんだみたいに見えた、と、後でみんなに話した。