工藤純子さん作。
主人公琴葉のうちは町工場。
頑固な父は大企業にはできない技術に誇りを持っている。
若い工員の天馬を家族のように世話していた。
琴葉は、来た時には表情のなかった天馬が自分の家族と暮らすうち笑うようになったことがうれしかった。
天馬と話すようになって、なぜここに来たかを知る。
天馬のお母さんは中国人で、おばあちゃんからひどい扱いを受けたのだ。
お父さんはお母さんを守ると言いながら、結局おばあちゃんの味方ばかりした。
言い争いの最中にお母さんは階段から落ちて、お腹の赤ちゃんを亡くしてしまう。
それで天馬は荒れて、おばあちゃんの家をめちゃくちゃにしてしまった。
そんな天馬をお父さんが引き取った。
天馬は機械が好きになり、お父さんを尊敬するようになる。
しかし、天馬のお父さんがやってきて、おばあちゃんが危篤だと聞かされる。
琴葉も天馬の父に怒りをぶつける。
でも、おばあちゃんが辛く当たったのは戦争のせいだと知る。
美術部で無言館を訪れ、2人の気持ちが変化する。
天馬は、憎しみの気持ちをどこかで終わらせたいと思うようになっていく。