いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

ひとりたりない

今村葦子さん作。

よかったー。

 

お姉ちゃんが交通事故で死んだのは自分のせいだと学校に行かなくなった弟の周斗。お父さんとお母さんは、お酒ばかり飲むようになった。

家族みんなが、ものすごく無口になってしまった。何もかもがめちゃくちゃで、このままでは家族がダメになってしまうと思った主人公の琴乃は、おばあちゃんに助けを求める。

 

亡くなったお姉ちゃんの部屋で、おばあちゃんが話してくれる言葉がじんとくる。

 

〈いやし〉って言葉があるだろう?このごろは、あんまり軽々しくつかわれて、なんだか卑しいみたいな言葉になっているけれども、時間だけにしかいやすことのできない、そんな、ふかいかなしみが、人生にはなんども、なんどもやってくるんだよ。時のいやしをうけとるためには、どうしたらいいか?それにはね、どっしりとかまえて、おたおたせずに、時間に時間の道をゆかせることがだいじなんだよ。

 

その言葉だけで立ち直れたわけではないけれど、何もかも引き受けて当たり前の暮らしを続けようとしたおばあちゃんの努力が、ついに家族みんなを変える。

 

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