ニキ・コーンウェル作。
物語は、コンゴ民主共和国から始まる。
お父さんと一緒に暮らしていたテズの一家は、森に現れた怖い人たによって普通の暮らしができなくなる。
それでなくても、姉のアディはお金がなくなったので学校を続けることができず、水汲みをしたり妹や弟たちの世話をしたりしている。
コンゴは隣国ルワンダのツチ族とフツ族の争いの煽りで、政情が不安定だ。
テズが学校に行くと、シーンとしていて誰もいない。突然銃を持った兵士が出てきて、撃たれそうになる。
危うく逃げ帰ったテズは、家族と共に隠れるが、様子を見に行ったお父さんは帰ってこない。
おじさんが、お父さんが殺されたことを知らせにきて、お母さんと5人の子どもたちは逃げ出さなければならなくなる。
ジープに乗せられ、危険を避けながら空港に着き、ついた先はイギリス。
やっと戦争のない国に辿り着いたが、そこからまた長く辛い日々が始まった。
難民認定申請をするために、役所と宿泊所を毎日たらい回しにされる。
言葉もわからないのに、パスポートや書類を出せと怒鳴られ、冷たい視線を向けられる。
ようやくあてがわれた部屋はカビ臭く、とても人が住めるようなところではなかった。
それでも、お母さんはヤーヤのミルクの世話をアディに任せて、食事も取らずに部屋の掃除に没頭する。
そしてとうとう起き上がれなくなり、寝込んでしまう。
心が悲鳴をあげてしまったのだ。
先にイギリスに来ていた知り合いのカイおばさんに助けられて元気を取り戻すが、カイおばさんの息子が地域の住民に殺されてしまう。
難民を嫌う人が多いのだ。
コンゴでは、大人になることが夢だったが、テズたちはイギリスで新たにできた夢を叶えらるのか。