オンジャリQ・ラウル作。
題にはアーメットが出てくるが、主人公はアレクサという活発な女の子。
トムとジョシー、マイケルの3人の親友がいる。
この子たちのクラスに、転校生がやってきた。
いつも下を向いていて、一言も話さない。
仲良くしようとしても、感情を顔に表すことがない。
原題は『The Boy at the Back of The Class(クラスの後ろの席の男の子)』。
アーメットが難民だと知ると、どこから来たのか、誰と住んでいるのか、何語を話すのかなどアーメットのことが知りたくてたまらなくなる。
アーメットが手助けの先生と自分のことをみんなに話すと、4人はなんとかアーメットの役に立ちたいと相談する。
だけど、いじめっ子のブレンダンたちは、事あるごとにアーメットを嫌な目に合わせる。
それを注意しないアイロン先生みたいな人もいる。
イギリスの中でも、難民を受け入れるかどうかで意見の対立がある。
だけど、アレクサたちにとっては、アーメットを助けたいという気持ちがあるだけだ。
シリアからイギリスまで5000キロを歩いてきたアーメットは、いっしょに逃げる途中に海で妹を亡くし、山で猫を亡くした。
お母さんはギリシャのキャンプで病気になった。お父さんとはフランスで別れ別れになった。
アレクサたちは、アーメットの両親を探してもらうために世界一すてきな計画を立てる。
バッキンガム宮殿のまえで、近衛兵に手紙を渡そうとする場面が一番のクライマックス。
コールドストリーム・ガーズという名前も初めて知った。
その後の女王様の対応もうれしい。
アレクサを取り押さえた近衛兵の2人も、タクシーの運転手さんも、学校をサボってパトカーで連れ帰られたアレクサを最初は凄い勢いで怒ったけど真相を聞いて抱きしめたお母さんもすてきだ。
涙がいっぱい溢れた。