村山由佳さん作。
映画とのコラボ作品だそうだ。
でも、小説だけ読んでも十分よかった。
小説だけでなく、少し長いあとがきも食い入るように読んだ。
この作品を書く時に、そんなことがあったのか。
次のセリフは、映画には登場しない葉月さんのものだったかな。
「離れていたってね、弥生」と、葉月さんは優しく続けた。「血のつながりは永遠だよ」
その言葉は、俺の古傷にもしみた、ひどく、しみた。
「ううん、血のつながりだけじゃない。想いは、永遠なの。一度誰かとの間に芽生えたつながりは、ずーっと消えずに続いていく。たとえ、かたちを変えて、いつか思い出の奥にしまわれてしまったとしても、かつてそのひとと心をやり取りしたっていう記憶だけは、永遠に残るのよ。そうーーちょうど、海の底に沈んだ宝みたいにね」
乗り換え駅の橿原神宮前までの電車で読んでしまった。(帰りどうしよう)