読み終わりました。
村山由佳さんの本。
とてもとてもよかった。
日本農業新聞に連載された作品だそうだ。
シゲ爺やヨシばぁばから教えらる農家の知識は、科学的な根拠があるわけではないが、経験に裏打ちされ地に足がついた説得力がある。
都会の学校でいじめにあい、父と田舎暮らしを始めた雪乃。
田舎に行ったからとて、学校に行けるわけではない。
村の人たちも、引っ越してきたのに学校に行けていない雪乃や父母に対して、優しく見守るばかりではない。
会社を辞めて急に農業を始める父は、最初頼りなさそうに見えるが、納屋カフェを計画し田舎に根を張って生きようとする頃には逞しく思えてくる。
学校には行けないが、シゲ爺やヨシばぁばから田んぼや畑の作業を教えてもらい、生き生きする雪乃。
でも、それだけでいいわけではない。
なかなかいじめの傷から立ち直れない雪乃の、周りの人たちのそれぞれの優しさを描き、何度も涙ぐんでしまう物語です。