すごい題名です。
そこまで読書したいとは思いませんが、気持ちはわかります。
丹羽宇一郎さん著。
著者は、伊藤忠商事の名誉理事。
どんな本を読んだらいいかという話は、ほとんどありません。
ぼくは自分が読んでよかった本は人に勧めたくなるのですが、丹羽さんは合う本は人によって違うというのが持論。
とても新鮮でした。
書き抜いたのは、次のような一節です。
問題があるということは、懸命に生きている証です。
人から相談を受けた時、こう答える。
「問題は人との関係であり、一人で解決するものでもない。他人への共感と想像力が、解決へ導いてくれる。問題がある限り、またそれを解決する答えも必ずどこかにある。問題があるというのは、生きている証だ。問題があることを喜べ。」
本を読んでいて、あまり期待していたほどではない内容だと思っても、一つでも、二つでも心に刻まれる言葉があれば、儲けものと思ったほうがいい。
とくに人間への洞察や生き方に影響を与える言葉というものは、それを記憶しても、すぐに生かせるものではありません。
仕事や人との付き合いのなかで、体験したことが、記憶にある言葉と結びつき、初めて「こういうことなのか」と腑に落ちることもあります。それまでは単なる知識にすぎなかった言葉はそこで知恵に変わり、心のシワになるのです。
心のシワ、という言葉がいいなーと思いました。