M・G・ヘネシー作。
著者はロサンゼルスで、里親制度がうまく機能するように、裁判所から任命されて特別擁護者として活動している人。LGBTQの若者を支援する団体の指導者でもある。
この物語に出てくる4人も、里子としてミセスKの家で暮らしている。
ナヴェイアは一番年上で、旦那さんを亡くして生きる意欲をなくしているミセスKに代わって下の3人の世話をしている。自分たちが追い出されないようにいつもビクビクしながら、家事も引き受けている。
ヴィクは、お父さんがベネズエラに強制送還され、一人ぼっちになった。過酷な現実から心をそらすために妄想の世界に生き、いつも問題ばかり起こしている。
マーラは一番小さくて、スペイン語しか分からず喋らないので、ウェンティンは密かに静かな女の子と呼んでいる。
ウェンティンは、つい最近ミセスKのところに連れてこられたばかりで、早くお母さんのところに帰りたがっている。アスペルガーで会話ができずよくパニックを起こす。ガンでお母さんが亡くなったのにそのことが理解できない。
ヴィクは、ウェンティンのお母さんを探すために家を抜け出し、病院までの冒険をしようとする。
気づいたナヴェイアは、引き止めようとするが、成り行きで4人で遠い町の病院を目指す。
今まで、夢のため楽しいことを全て我慢していたナヴェイアの気持ちが、ここから少しずつ変わっていく。
どうしようもなくうちひしがれた後に、バラバラだった4人が本当の兄弟姉妹のようになっていく。
表紙のこの絵、四人の声が聞こえてきそうだ。