いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

猫の神様

東良美季作。

読み進むのが辛くなる物語でした.

ジョギングの途中で、公園のゴミ箱の下で見つけた2匹のネコ。

いったんは通り過ぎますが、夜になり気になって見に行くと、まだ鳴き続けていた。

仕方なく連れて帰り、3人で暮らし始める。

作者は人生のどん底の時期。

兄弟だけど、体の小さかったミャ太が先に亡くなってしまう。 

その時点から物語が始まる。

だから、全編病気と闘いながら、死に向かって時間が進んでいく物語。回復する見込みはない。

獣医さんに連れて行き薬を変えてもらい、よくなりかけてもまたぶり返してしまう。

ミャ太を葬ってから、これから2人で暮らしていこうと思っていた矢先、今度はぎじゅ太も病を得る。それから長きにわたって病院通いが続く。

うちの、ミュウミュウと同じだ。

何度か持ち直す気配や小康状態はあったが、体重は減り片目も見えなくなった。

ミュウミュウも、網膜剥離で失明した。それでも、ゆっくり歩いて自分でトイレに行っていた。

いよいよ食べなくなると、飼い主の気持ちは追い詰められる。なんとか食べてくれないかと、いろんな手を尽くすが、気持ちが安らぐ暇がない。

ぎじゅ太の命が燃え尽きた瞬間は、両足を突っ張り背中を逸らせて、痙攣を繰り返す。

ミュウミュウも同じだった。最後の最後にあんなに苦しまなければならなかったのが、可哀想で可哀想で。

作者も同じ思いだったが、動物霊園で焼いてもらっている間に、ぎじゅ太は生きたかったから病気と勇敢に闘ったのだと気づく。

ミュウミュウも、最後の最後まで諦めずに勇敢だったとおもう。

 

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