何回かチャレンジして、今回ようやく読み終えた。
と言っても、まだ一巻だけですけどね。
ラーゲルレーヴ作。
出だしの面白さにやっと気づけた。
風景や生き物の描写がていねいで細やか。
特に、鳥のことはよく知ってはるなあと舌を巻く。
その姿形から、どんな性格なのかが想像できて楽しい。
主人公のニルス-ホルゲルソンのこともあまりのめり込まずに、客観的に説明されているのがいい。
優しさのかけらもないニルスが、トムテに仕返しされ魔法をかけられて小さくなってしまう。
自業自得だが、弱気も見せるニルスに、だんだん親しみが湧いてくる。
迷ったとき、気持ちを決めるのは、たいがいなにくそという反抗心なのも面白い。
地理感覚は全くないんだけど、バルト海を巡ってスウェーデンを旅していくところも興味深い。