レスターは、デンバーから1200キロも離れたケープゴットに引っ越してきた。ビルゲイツと名付けた犬を飼っていて、新しい町になじめないでいる。
ジョージは、キラという友達が転校していき寂しくて仕方ない。バートという犬を飼っていて科学が好きだ。
ルパード・シェルドレイク博士の「犬は飼い主の帰ってくる時刻を知っている」という説を信じて、実験をスタートした。
学校で2人は同じクラスになり、レスターも同じ実験をすることになる。
ジョージはレスターと仲良くなると、キラのことを忘れてしまうかもしれないと恐れている。
でも、妹のビビアンが2人の関係をうまく取り持ってくれる。
実験は順調に進み、2人が仲良くなりかけた時に事故が起きる。
バートが車に轢かれたのだ。
ジョージの素直な探究心がさわやかで、レスターの柔らかな気持ちの変化も読み応えがある。
ジョージが実験の結果を発表した場面で、「ジョージはそこで体重を片方の足から反対の足に移した」という一文は、作者の表現のていねいさにうれしくなった。
「うつろうは楽し。変わりゆくもよろこばし」というマントラもたまに呟いてみたい。