いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

天保の人びと

かつおきんやさんの本。
久しぶりに読んでみたくなって、ネットで探して見つけました。
今読んでも、ぜんぜん古い感じがしません。昔と同じように気持ちが熱くなりました。
古い読書記録を見ると、最初にこの本を読んだのは1990年8月18日。
このころかつおさんの本にはまっていて、『安政五年七月十一日』『五箇山ぐらし』『雪の人くい谷』『あらしの中の十七年』『大野弁吉』『辰巳用水をさぐる』『七つばなし百万石』などを読み、江戸時代の加賀の人々に思いを馳せていました。
この『天保の人びと』は、西念という村にあった石碑から史実を調べてゆき、登場人物の子孫に取材したり、五箇山にも行って調べたりしてできあがった物語です。
ぼくがこの物語が好きなのは、お上のいうことに黙って従っていてはダメだというメッセージが伝わってくるところです。
「お上のいうあまいことばには、かならずなにかうらがあるぞと、うたがってみなきゃならないのだ」と、主人公の松吉が確信する場面が好きです。