ケイト・アルバス作。
とうとう読み終わりました。
3人がずっと隠していたことをミュラーさんに告げて念願を達成できたのは、367ページのあたり。ようやくほっと安心できました。
エドマンドの「それがノラさん(ミュラーさん)なんだ」の言葉に感動。
時は第二次世界大戦の時代。
主人公のウィリアム、エドマンド、アンナの三兄弟に両親はなく、保護者だったおばあさんも亡くなって、ロンドンを離れ疎開することになります。
疎開の目的は空襲を避けるためというより、新しい家族を見つけるため。
イギリスの疎開は日本とは違って、ホームステイのように個人の家て一緒に生活します。
汽車に乗せられどこに行くかもわからず、どんな家で世話してもらえるのかもついてみなければ分かりません。
エドマンドたちも、はじめの家ではそこの兄弟に執拗にいじめられました。ある事件の犯人と決めつけられ、そこを出て次の家へ。
二つ目のその家では、貧しさゆえこき使われます。
どちらも優しくしてもらえることもなく、追い出されないかビクビクしながら暮らします。
ただ一つ落ち着ける場所が村の図書館で、司書のミュラーさんは3人を大切に扱ってくれました。
けれど、ミュラーさんは疎開の子を世話するのに「ふさわしくない」と村の人たちから思われていました。
それは、ミュラーさんがドイツ人だからです。
二つ目の家でも問題を起こし、3人はミュラーさんの家に行くことになります。そこしかなかったからです。
3人は、暗闇を照らすお月様のようなお母さんを見つけなさいと言われていたのですが、なんとミュラーさんはカー先生に、「わたしにとってあの子たちは、暗闇を照らすお月様のように思えるのよ」と言うのです。