玉木恭子さん作。
珠玉のエッセイでした。
前半三分の一がネコにまつわる話。
野良猫さんたちを思う気持ちがひしひしと伝わってきた。
後半は、生い立ちや経験した出来事を綴ったもの。
お父さんの仕事が立ち行かなくなって学校を辞めなければならなかったことや、3人兄妹の真ん中であまり可愛がられなかったこと、臨時講師としてクラスの目立たない子に目をかけて心を砕いたことなど、共感しながら読んだ。
長春から無蓋貨車が動き出したとき、追いかけてきた犬がだんだん小さくなって消えていった場面は、作者の気持ちが痛いほど分かった。