稲葉真弓さんの本。
我が家のミュウミュウと同じく、稲葉さんのミーも20年生きた。
ミーとともに生きた稲葉さんの記録だ。
金網にしがみついていた子猫との出会い。
なかなか決まらなかった名前。
お風呂場の隙間から外へ出かけ、自然の中で遊びまわっていた若いころ。
手術、引っ越し、夫との離婚、品川のマンション暮らし、失踪、介護、三重の半島への最後の旅行、何も食べなくなり眠りもしなかった最後の数日、火葬、遺灰をなつかしい昔の遊び場近くにまいたこと。
どのエピソードにも、目が離せなかった。
大工さんがお風呂の工事をしているのに付き添いながら、物語に引き込まれていた。
実はこの本は、2003年に一度読んだ本だ。
作者も題名もうろ覚えで、なかなか再会できなかったんだけど、ふとしたことで見つけることができた。
2003年のマイブックを読んでいて、記録を見つけたのだ。
その時の感想には、ミーが住んだ品川のマンション界隈に行ってみたいと書かれていた。
その願いはまだ叶えていない。
稲葉さんは2014年に亡くなっていた。64歳だった。
そのことを知ったのも衝撃。
ミーも稲葉さんも、あちらの世界に行ってしまった。
いつか、賑やかな表通りから一歩入った静かな品川を見に行かなければ。