さすが村上しいこさん。
重い課題を、こんなにも読後感の良い物語に仕上げてはる。
主人公美桜里のパパとママは離婚。
原因はDV。
優しいパパなんだけど、突然キレてお皿を投げたりする。
ママはカウセラーで、女性の人権を守る活動に忙しい。
美桜里は学校に行けていない。
1人で家にいる時に空き巣に入られた。
ちらっと見た犯人の後ろ姿は、カレーのイラストが描かれたジャンパーだった。
焼肉屋で知り合った「クソみたいな名前」の登夢(トム)を手伝いキッチンカーでカレーの販売をするようになる。
師匠は貴夫ちゃん57歳。
施設にいたトムをひとり立ちさせるために面倒をみている。
お互いの関係はイーブンで、思いは言葉にしないと伝わらない、というトムの言葉に美桜里は少しずつ前に進みだす。
パパとママを公平にみながら、2人の思いも変えていく。
パパにも子どもの時のトラウマがあったことが分かる。
トムといっしょに空き巣の犯人の家に行くと、
犯人は意外な人だった。