西條奈加さん作。
悲しいお話だ。
七つの章に分かれている。
小鬼と民の秘密がわかるのが、五つ目の章。
そうか、そういうことだったのかと思う。
それまで、違う時代の違う場所で、違う人たちが小鬼と関わって、憎しみや怒りを和らげ、体の中から鬼の芽を吐き出し、それを黒鬼が錫杖に突き刺してゆく。
五章で、小鬼と民の出会いが描かれる。
表紙の絵の、赤い肌に緑の髪が小鬼、おんぶされているのが民。
いなくなった弟を探していた民を気の毒に思い、助けてやる。
しかし、弟がいなくなった理由を知ってしまって人鬼になってしまう。
いったん人鬼になってしまうと、もう生まれ変わることはできないんだけど、天女に千年間の猶予をもらい、生まれ変わる度に民の鬼の芽を摘み取っていくのだ。