誰にとってもたいせつなのは家族だろう。
フランシス・カマルツは平和主義者で、ナチスドイツとの戦争の時も、良心的兵役拒否で農村で働いていた。
イギリスではそんなことができたんだ。
日本だと、たちまち「非国民」になってしまうのに。
弟のピーターは、ヒトラーには力で対抗するべきだと空軍に志願してしまう。
そして、乗っていた爆撃機が墜落して戦死する。
フランシスは、考えを変え自分にできることは何かと悩む。
フランス語ができたので、厳しい訓練を受けたのちスパイとしてフランスに潜入し、レジスタンスの組織のために奔走する。
仲間は次々と銃殺されていく。
怖いのは、ドイツ兵よりナチスにすり寄るフランス民兵組織だった。
そんな時代を生き抜いて、90歳になった2ヶ月後に亡くなる。
90歳の誕生日のお祝いが終わった夜、人生で出会ったたいせつな一人ひとりに語りかけるように物語は進む。
マイケル・モーパーゴが叔父の生涯を丁寧に描いた一冊です。