野波ツナさん作。
カサンドラって言葉は、初めて聞いた。
アスペルガーのパートナーさんと一緒に過ごすうちに、共感してもらえなくてどんどん孤独になっていく状態なのだそうだ。
作者はこの状態から、別居することで脱出した。
もつれた毛糸玉がほどけていって、忘れていた大切なものに気づくことができたのだそうだ。
いい表現だなあ。
望月泉さん作。
主人公いっちゃんは、作者のお母さん。
幼い頃から聞かされていた中国からの引き揚げ体験を、一冊の本にまとめた。
いっちゃんの家族は、設計技師をしていたお父さんについて、静岡から満州の鴨緑江近く、通化に渡る。
そこで、下の4人の弟や妹と共に暮らす。
お母さんは赤ちゃんを産んで体を悪くし、寝込んでしまう。
生まれた赤ちゃんは、名前もつけてもらえずに亡くなってしまった。
終戦を境に、町の様子がガラッと変わり、食べ物も無くなる。
こんりゃんととうもろこしのおかゆは、煮ても煮ても柔らかくならない。
ある日中国兵がやってきて、お父さんが連れて行かれてしまう。
氷の穴に突き落とされたり、防空壕に詰め込まれて銃撃されたりしたが、なんとか生き延びて帰ってきた。
ようやく引き揚げることになったが、家族バラバラで行くことになる。
いっちゃんは、下の弟キヨちゃんと2人で根本さんについて日本に向かう。
お母さんと別れる日の晩、お母さんの布団で、静岡で会おうねと泣きながら約束する。
そうして出発したが、ぎゅうぎゅうの無蓋貨車で、根本さんとはぐれてしまう。
たくさんの人が途中で力尽きて倒れていく中、10歳のいっちゃんは6歳のキヨちゃんを励ましながら、引き揚げ船の出る葫蘆島を目指す。
読むのが辛い話ですが、忘れてしまってはいけないことだと思いました。
藤原審爾さん作。
すごい人がネコの物語を書いてくれていたものです。
この人も猫好きだったのですね。
作中の物書きの南川さんが、作者の分身のような気がしました。
多摩川の河原に捨てられていた黒チビ。
もう鳴く力もなくなりかけていたのが、順子に拾われます。
マンションは犬ネコ禁止でしたが、母親映子は我が子が捨てネコを思う気持ちに目覚めたことに驚き、なんとか飼ってやることにする。
ビュートと名づけ、マンション下の花壇に降りれるようにして、土にも親しませる。
やがて苦情がきて、実家の土地に猫と暮らせる家を建て、移り住む。
裏は武蔵野の面影を残す森で、ビュートは野良猫たちとも交わっていく。
やがて界隈のボスになり、縄張りの平和のために力を発揮する。
蛇と闘ったり、犬をけしかけて野良猫を襲わせる医者の息子と渡りあったり、食堂の奥さんに煮え湯をかけられた白猫の子を守ってやったりする。
猫に優しい人たちが多い地域だが、野良猫が生きる厳しさは今も昔も変わらない。
車に轢かれて死んでしまったビュートは、町の人たちにお葬式をしてもらい、お墓に埋められる。
母親暎子は、順子がビュートから見えないものをたくさんもらっていたことに気づく、というお話でした。
「冒険」って題名ですが、普通のネコの一生の物語です。
40数年前の本に、図書館で出会えてよかった。
ニャンちゅうが気になるんだけど、たまには気晴らしに自転車もって出かけることにしました。
早朝なので、河内長野行きの各停で古市乗り換え、吉野行きで二上山下車です。
二上山がきれいです。
ぽっくり寺の看板が出てたので、行ってみました。
阿日寺というところでした。恵心僧都にゆかりのお寺だそうです。『往生要集』を作った人なんだだそうです。
へー、知らなかったなあ。
近鉄五位堂まで行き、エキタグのデジタルスタンプをゲット。
当麻寺駅に向かいます。
途中の公園で、ちょっと休憩。
あみだ橋は由緒ある橋みたいなんだけど、読んでもよく分からぬ。
いつものよもぎ餅を買います。
9時開店。
あれ、並んでる。
行列のできるお店だったのかあ。
嫁さんとおばあちゃん、2人の娘っ子たちそれぞれにお土産ができました。
今日はデーゲームですので、早く帰って応援します。
昨日も一昨日もボコボコにやられたので、今日こそベストメンバーでやり返してほしいなあ。ムリかなー。
細田守さん作。
狼の彼と出会い、2人の子ども雪と雨を
もうけた花。
彼は狼の姿で死んでしまい、苦労して雪と雨を育てる。
活発で明るい雪、おとなしくひ弱な雨。
2人には将来、狼として生きる道も人間として生きる道も残しておいてやりたい。
小さい時の性格とは逆に、雪は人間として、雨は狼として生きていく。