ジュエル・パーカー・ローズ作。
物語のしょっぱなから、12歳の黒人のジェロームは、おもちゃの拳銃で遊んでいるところを白人の警官に射殺されてしまう。
そのジェロームが主人公。
死んでさまよっている時と、生きていた時が交互に描かれて、貧困の中で生きてきたジェロームの家族や、アメリカ社会の根深い黒人差別の歴史が分かってくる。
実在したエメット・ティルも登場して、ジェロームがさまよっている意味を教えてくれる。ジェロームの姿は、なぜかムーア巡査の娘のセアラには見えて、セアラが人種差別問題を考えるきっかけになる。
黒人白人とひとくくりにしないで、一人一人の個人として大切にされないといけないんだと気づかせてくれます。