ウィリアム・メインの2冊目。
題名がすごく時代がかっている。
なんだか古い映画のタイトルみたいだ。
アーサー王にまつわるイギリスの言い伝えを取り入れた物語だそうだ。
本文は分かりにくいところがあったが、あとがきで謎が氷解する。
この物語は、メインの作品の中でも分かりにくいのだそうだ。
訳するのにも苦労したようで、大きな辞書にも載っていない言葉をメインに手紙で訪ねたらしい。カセットテープで返事が来て、丁寧に答えてくれたという。
スコットランドに近いイングランド北部の、日本で言えば東北地方の地元の人たちしかわからない言葉もたくさんあったそうだ。
表題の少年鼓手は最初と最後にしか出てこないし、主人公だと思っていたデイビットは途中で死んだことになってキースが中心に物語が進んで行ったりした。
でも、難解なだけに、地面の下に住んでいる過去の人たちの雰囲気が余韻となって残っているような気もする。