菅野雪虫さんの本。
今まで奥州と羽州の違いも知らなかったのに、この物語で歴史や人の性質まで知ることができた。
鷹を育てるオギの孫、ムメが主人公。
この作者特有の、いつも人から蔑まれる登場人物がカラス。
村外れに一人で住んでいる。
ムメも少し変わった子で、オギが育たないと言った片目しかない鷹の雛を、自分が育てると言って、アキという名をつける。
都から秋田城に来たのが、中央では損な役回りが多い小野春風。
その息子が春名丸。
ムメとカラスと春名丸を中心に物語が進んでいく。
ある飢饉の年、ムメの父は家に帰らないことが多くなった。
勝つことが目的ではない、生きることが目的だ、という言葉が心に響いた。