しょっぱなからグレイが亡くなったことを知らされた。
つらいつらい一冊。
悲しい悲しい一冊。
読むと悲しくなるのが分かっていて、読まずにはいられない。
ことばがわからない動物を相手にしている獣医さんたちは、そのぶん想像力を働かすことができるのか、こちらが感動するくらい、患犬にむかっても、飼い主に対しても誠実で深い愛情にあふれていた。動物にお金や勲章をみせても通じるはずもないから、野心や権力志向の強い人は動物のお医者さんにはならないだろう。
私は泣きっぱなしだったので、電話のむこうでヒラミ先生はずーっとひとりで喋っていた。
メモしたくなる一節がたくさん。
グレイがどれだけ周りの人をやさしくしていたかが伝わってくる。
ね、という表情を感じられる人でいたい。
1000人のチェロも心が熱くなる。
この出来事でグレイの物語を終わらせているのも著者らしい。