いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

売家

木曜日、病院からの帰りに、叔父の家を通ってみた。
昔の村の中の奥まったところ。
と言っても、都会だから家が立て込んでる。
子どもの頃はまだ祖母がいて、暗い土間もあった。
二階へ上がる階段を、アオダイショウがペッタンペッタンと降りてくる話を聞かされたりした。
トイレは汲み取り式で、小さな庭にはイチジクの木があった。
そんな古い家も、叔父が建て替えて、3階建の家にした。
その叔父も亡くなり、叔母さんも認知症で施設に行き、従姉妹二人も遠くに嫁いでもう長い。
それでもずっと表札だけは残っていたが、こないだ通ると、売家の看板が掲げてあった。


むかしがどんどん遠くなっていくなあ。